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歯周病治療
歯周病治療とは

歯周病治療とは

歯周病は、昔は「加齢にともなう病気」と思われていましたが、現在では様々な研究により、歯周病原菌による感染症であることが明らかになっています。
世界で最も多くの方がかかっている感染症と言われ、ほとんどの場合、自覚症状があまりなく、気づいたときには、すでに症状がかなり進行しているケースが多い厄介な病気です。

砂町銀座デンタルクリニックでは、歯周病が虫歯治療やインプラント治療など他の治療の予後に大きく影響すると考えています。そのため、初診時に歯周病にかかっている可能性がある場合には、すべての治療を始める前に歯周病検査を行い、まず歯周病を治療してから各種治療に進むことをお薦めしています。(痛みが強かったり緊急性を要する場合は、先行してその治療を行い、落ち着いてから歯周病の治療に入ります。)

過去に、時間をかけて高額な審美治療やインプラント治療を受けたにもかかわらず、時間が経つにつれて噛めなくなったり、見た目が悪くなったり、痛みを感じるようになっている方を、今まで何人も見てきています。そういった方の多くに重度の歯周病がみられ、歯周病であることすら知らされていなかったり、歯周病や予防的な感染症対策をしてこなかったために、様々なトラブルに発展していたのです。
こういったことから、当院では「歯周病を重視する方針」を取らせていただいております。

歯周病治療の最先端をいくスウェーデンでは、長期間にわたる様々な研究や、エビデンスに基づいた治療が行われているため、当院でもそういったスウェーデンスタイルの治療を実践しています。

以下のような自覚症状が現れたときには、
すでに歯周病が進行してしまっている可能性があります。

以下のような自覚症状が現れたときには
  • 歯茎からの出血
  • ブラッシング時の出血や痛み
  • フロスや歯間ブラシで出血がある
  • 口臭がある
  • 歯が長く見える
  • 冷たい水がしみる
  • 噛んだときに痛みがある
  • たまに口の中に違和感がある

日本では30歳以上の方の8割が歯周病とその予備軍と言われており、歯を失う理由第1位となっています。
また、肥満や糖尿病などの全身疾患や喫煙との関わりも次々に解明され、最近の研究では、心筋梗塞、脳梗塞、アルツハイマーなどの発症との関連性も報告されています。歯周病は感染症であると同時に生活習慣病ともいわれるようになってきているのです。
歯・口は、消化器官の一部として身体全体とつながっているため、口腔で発症した病気が全身に、また、全身の病気が歯や口腔内に影響するなど、歯周病と全身疾患は双方向に関連し影響する可能性が高いといえます。

歯を失う理由

歯を失う理由
【出典元】「平成17年(財)8020推進財団調査」より

歯肉の所見の有無について (歯周組織に所見ある場合を歯周病とする)

歯を失う理由

※ 歯石の沈着の項には、歯周ポケットが4mm以上の者は含まない
※ プロービング:歯周ポケットの深さを専門の器具で測ること

【出典元】「厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査」より

歯周病は進行するほど治療が難しくなり完治するまでに時間を要します。最悪の場合、歯を抜かなければならないこともあります。自覚症状が当てはまる場合はもちろん、全く症状がなくても一度検診を受けることをお勧めします。

歯周病Q&A

「歯周病は生活習慣病だから治らない」と言われました。本当ですか?

歯周病は治ります。
確かに生活習慣病の側面が強い病気ですが、40年以上前に予防と治療が可能なことが明らかになっています。

歯周病はうつる病気ですか?

はい。うつる病気です。
歯周病原細菌は人から人へ接触感染していきます。親子、夫婦でも感染します。
口移しの食事やスプーン等の共用、キスなどで感染します。

歯周病の原因は何ですか?

プラークの中に潜む歯周病原細菌です。
歯周病の原因は、誤ったブラッシングにより、歯にこびりついたプラーク(歯垢)を除去できず、放置したことで起きる「歯周病原細菌による歯肉の感染症」です。
プラークはバイオフィルムともよばれ、歯に強固に付着しているだけでなく、様々な細菌が集合してバリアを形成します。
歯周病の発症に関わる要因は、①細菌(歯周病原細菌)、②生活習慣(喫煙、食生活、ストレス)、③遺伝の「3つ」の危険因子が複雑に絡み合って発症し進行します。この3つの要因がすべて重なることで、発症の危険性が高くなり重症化しやすくなります。

いつ頃から歯周病原細菌は住み着くのですか?

歯周病原細菌が住み着くのは、早ければ生後6ヶ月の乳歯が生えたときからです。もし、両親、特に母親が歯周病にかかっていたり、歯周病原細菌を持っていたりすると、その子供は生まれてから食習慣が確立する頃までには歯周病原細菌に感染することになります。

喫煙は歯周病によくないのですか?

喫煙される方は歯周病になるリスクが高まります。
喫煙本数が増えるほど歯周病になりやすくなることが明らかになっています。タバコのニコチンに含まれる有害物質は免疫機能や細胞の働きを阻害するので歯周病の進行を早め、治りにくくしてしまいます。
また、歯茎からの出血を抑えたり、歯茎を硬くすることで症状に気づきにくいことなどが挙げられます。つまり、タバコは歯周病の進行を早め、歯周病になりやすくするばかりでなく、症状に気づきにくく、治りづらくする原因と言えます。

歯周病はうがい薬で治ると聞きました。本当ですか?

歯周病はうがい薬では治りません。
うがい薬だけではプラーク(歯垢)の除去はできません。正しいブラッシング(歯磨き)を行ったうえでうがい薬をご使用いただくのであれば良いと思いますが、あくまで補助的なものとお考えください。

歯周病は飲み薬(内服薬)で治ると聞きました。本当ですか?

歯周病は薬では治りません。
厳密に言えば、風邪をひいたときに一般的に処方される抗生物質の数百倍の量を飲めば治すことができますが、当然そんなことはできません。
つまり、歯周病は内服薬のみで治すことはできないということです。

他院で重度の歯周病と診断され、抜歯を勧められました。本当に抜かなくてはいけませんか?

歯を支えている骨がない場合に「抜歯」という診断をせざるを得ないこともあります。
一方で骨は「再生」することも可能です。ただし、骨の再生治療が可能かどうかは、残っている骨の“量”ではなく「骨の無くなり方」(これを「欠損状態」といいます)により決まります。
ご自身の歯に勝るものはないので、当院では抜歯は最終手段とし、ご自身の歯を残す治療方法をご提案しておりますが、予後を考え、場合によっては抜歯を選択します。

歯周病が進行しているので抜歯を覚悟していますが、インプラント治療には抵抗があります。

インプラント以外の治療方法もあります。
当院では可能性がある限り、患者さまご自身の歯を残せるように努めています。ご自身の親知らずなどを抜歯して移植する「歯牙移植」や、悪くなってしまった歯根だけを分割して取り除き、他の歯根を残す「ヘミセクション」「トライセクション」といった治療も可能です。
ご自身の歯に勝るものはありませんから、当院では、抜歯は最終手段としてご自身の歯を残す治療方法をご提案しております。

歯周病が「全身疾患と影響がある」という話を聞きました。本当ですか?

本当です。
歯周病はお口の中だけの病気ではありません。糖尿病や心疾患など、全身疾患との関連性が明らかになっています。歯周病は「嫌気性(けんきせい)」という空気を嫌う細菌です。
歯周病原細菌が血液と共に全身の各臓器に運ばれ、あらゆる悪影響を及ぼすことが分かっています。近年の研究では、歯周病と糖尿病が双方に悪影響を及ぼすことや、日本人の死因の第3位に挙げられる肺炎(誤嚥性肺炎)や感染性心内膜炎などの心疾患に歯周病が深く関わっていることが分かっています。一方で、全身疾患によって歯周病が悪化するケースも報告されています。

歯周病の細菌検査は必要ですか?

必要な検査とは言えません。
歯周病は複雑で多種多様な菌が影響しあって感染を進めていくので、特定の菌を割り出しても有効ではありません。
どんな歯周病原細菌がいるかどうかよりも、歯周病の症状を調べるプロービングやプロービング時の出血などの検査の方が重要です。また、現在の臨床で行われている細菌検査は歯周ポケット内の細菌を必ずしも正確にサンプリングしているとは思えません。
口腔内常在菌は900種に及ぶと言われ、その多くはいまだ未知の細菌であり、細菌検査で検出された数種類の菌が存在するからと言って必ずしも発症するわけではなく、将来的に歯周病がどれくらい進行するかもわかりません。